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【実測データ公開】遮熱・断熱塗料の本当の効果|屋根・外壁の専門家がやさしく解説

屋根表面や最上階の温度、冷房費の変化を実測データで検証。効き目を最大化する選び方と施工プロセスや費用対効果の考え方まで図解で詳しく解説します。

【実測データ公開】遮熱・断熱塗料の本当の効果|屋根・外壁工事の真実

【実測データ公開】遮熱・断熱塗料の本当の効果

屋根・外壁のプロが、3年間の当社実測データと施工実例で徹底解説

結論(この記事で伝えたいこと)
  • 1 遮熱塗料の体感差は日射反射率色(明度)がカギ。屋根表面温度の低下が屋根裏~最上階の温度上昇を抑えます。
  • 2 「断熱塗料」は薄膜だけで魔法のような断熱を生むわけではありません。実測では屋根表面は二桁℃の低下、室内は数℃の改善が現実的です(当社計測)。
  • 3 効果最大化の鍵は適正な下地処理・規定膜厚・屋根裏換気の三点セット。施工品質で結果は大きく変わります。
  • 4 費用対効果は6~8年で回収見込みが目安(当社集計)。足場は外壁と同時施工で按分し、コストを圧縮できます。

はじめに:なぜ実測データが重要なのか

遮熱・断熱塗料は「塗るだけで涼しく(暖かく)」と語られがちですが、効果は建物条件・色・施工品質で大きく変わります。そこで当社は2021年~2024年にかけて複数現場で温度と電力を連続記録し、カタログでは見えない実態を確認しました。本記事ではその実測データに基づき、導入判断に必要な要素を整理します。

検証概要(当社計測)
  • 期間:2021年4月~2024年3月
  • 対象:戸建15棟・集合住宅3棟(スレート/金属/サイディング)
  • 機器:赤外線温度計/データロガー/熱画像カメラ
  • 項目:屋根・外壁表面温度/屋根裏・最上階室温/冷暖房電力

実測データ:温度差と電力の変化

年間電気代削減(平均)
22.5%
※当社集計の中央値
投資回収期間(目安)
6.5年
※屋根+外壁同時足場で按分時
3年後の性能維持率
89%
※洗浄メンテ込みの平均

ケース:屋根表面温度の変化

測定条件(当社現場)
日時:2023年8月15日 14:00(快晴・気温35.2℃)/ 対象:築12年スレート屋根・南向き/ 機器:FLIR E8-XT
施工前(従来塗料)
67.8℃
施工後(遮熱シリコン)
52.3℃
温度差
-15.5℃
(約23%低減)

最上階の室温変化(無冷房)

時間帯 施工前 施工後
10:00 29.2℃ 28.1℃ -1.1℃
12:00 32.8℃ 30.9℃ -1.9℃
14:00 36.4℃ 33.7℃ -2.7℃
16:00 37.1℃ 34.2℃ -2.9℃

冷房電力の変化(設定26℃・12時間運転)

施工前
18,420円/月
施工後
14,280円/月
削減額
4,140円(-22.5%)

※上記は当社管理現場の代表ケース。建物規模・色・運用で差があります。

遮熱・断熱塗料の種類と特徴

塗料は大きくセラミック系遮熱中空ビーズ系(断熱寄り)ナノ粒子系遮熱に分類。色や屋根材、目的(夏優先/通年)で選びます。

1) セラミック系遮熱

  • 特徴:広帯域に反射、色褪せに強い。コスパ良。
  • 効果目安:表面温度 -12~-15℃(当社現場)
  • 価格帯:㎡3,500~4,500円

2) 中空ビーズ系(断熱寄り)

  • 特徴:塗膜内の微小空隙で熱伝導を抑制。冬場の保温寄与。
  • 効果目安:表面温度 -8~-12℃/冬の室温 +0.5~+1.8℃
  • 価格帯:㎡4,500~6,000円

3) ナノ粒子系遮熱

  • 特徴:近赤外の選択反射。濃色でも一定の遮熱が可能。
  • 効果目安:表面温度 -10~-18℃(色依存)
  • 価格帯:㎡5,500~7,500円

選び方の核心

  • 数値で比較:日射反射率(近赤外域)、規定膜厚、耐候試験結果
  • 色戦略:明度が高いほど有利。濃色指定時は高反射顔料処方を選択
  • 屋根裏換気:棟換気と併用で体感差が伸びる

足場設置から完工まで:施工プロセス詳細

効果の60%以上は下地処理と規定膜厚で決まります。以下は当社標準手順です。

1) 高圧洗浄(1日目)
15MPa以上で洗浄→24時間以上乾燥→含水率8%以下を確認。
2) 補修(2日目)
クラックVカット+シーリング、欠損パテ調整、素地平滑化。
3) プライマー(3日目)
25~30μm、均一塗布。4時間以上養生。
4) 中塗り(4日目)
膜厚100~120μm。ローラーは中毛13mm、十字塗り。
5) 上塗り(5日目)
膜厚80~100μm。平滑性重視で仕上げ。

品質確認(施工後24時間以内)

  • 膜厚計で各面5点の平均とバラツキ
  • 密着性(クロスカット/JIS準拠)
  • 表面温度10点測定(14時、気温30℃以上)
  • 熱画像の記録

費用対効果の詳細分析

標準的な2階建て120㎡の屋根+外壁での概算。足場を按分することで回収年数が短縮します。

足場設置費
180,000円
下地処理
160,000円
塗料・施工
420,000円
諸経費
80,000円
総工事費(目安)
840,000円
従来塗装より約35%高(当社平均)

回収シミュレーション

追加投資:250,000円(従来比)/ 年間削減:38,200円 ⇒ 6.5年で回収
※外壁同時施工/屋根裏換気あり/明色仕上げの場合の一例

地域特性と効果の違い

猛暑日数・日射時間・海風・積雪等で効果は変動します。明色×高反射×屋根裏換気の基本は全国共通、濃色指定時はナノ粒子系が有利。

失敗事例から学ぶ施工の重要性

下地処理不足 → 密着不良
洗浄不十分で6ヶ月後に一部剥離。乾燥・密着テストの徹底で回避可能。
膜厚不足 → 性能低下
規定の60%厚で効果も約6割。膜厚計で各面5点以上の管理が必須。

メンテナンスと長期性能維持

年次点検チェック

  • 変色・チョーキング・クラック・剥離・汚れ
  • 簡易温度測定(夏の快晴14時に屋根5点)
  • 初期効果の85%以上維持で合格、80%未満は部分補修検討

5年後の部分メンテ

南面や突起部周辺の劣化に重点対応。足場共用でコスト最小化。

よくある質問

Q. 本当に体感できますか?
A. 最上階・南面で1~3℃の室温低下が多く、エアコン設定温度を上げても快適と回答する方が多数(当社ヒアリング)。
Q. 濃い色でも効きますか?
A. ナノ粒子系なら濃色でも一定の遮熱が可能。ただし明色より効果はやや低下します。
Q. 冬に寒くなりませんか?
A. 遮熱でも太陽熱は一定取り込みます。中空ビーズ系は冬の保温寄与が見られます。

まとめ:データが示す現実解

  • 屋根表面 -10℃台の低下が現実的。室内は-1~-3℃の改善が多い。
  • 色は明色>濃色。濃色は高反射処方を選ぶ。
  • 品質は下地処理・膜厚・換気で決まる。計測と記録が保証。
  • 費用は同時足場で按分し、回収6~8年を目安に。

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